ワインラベルを正しく読んで、ワインの知識を深めよう②~日本ワイン編~

たくさんのワインラベルが壁に貼られている

ワインラベルはその名の通りワインに貼ってあるラベルですが、そのワインが「どこで」「どのように」また「誰の手によって」「いつ」生まれたか、といったことが記された履歴書のようなものです。

消費者は、ラベルに記載されている情報から、ワインの産地、品種、味わい、生産者などを判断することができます。
今回は、日本のワインラベルにはどんなことが書いてあり、どこを見てどう理解したらいいか、といったことについて解説していきます。

いつも飲んでいるワインも、ラベルの内容を理解すれば、その味わいも変わってくるのではないでしょうか。

日本におけるワインの表示ルール

海外ではかなり早い段階で厳密に決められていた、ワインラベルの表示ルールですが、日本で表示ルールが定められたのはかなり最近のこと。

消費者が適切に商品を選べるようにとのことから、2018年10月に、公的なワインのラベル表示ルール(果実酒等の製法品質表示基準)が定められました。

このルールにより、国内で流通するワインは「国内製造ワイン」と「輸入ワイン」に区分されます。そして、国内製造ワインの中で国産ぶどうのみを原料としたワインには「日本ワイン」と表示されるようになりました。

ワインラベルの見方

たくさんのワインラベルが壁に貼られている

ワインラベルはエチケットとも呼ばれ、日本語でも使うエチケットと語源は同じです。ワインラベルは英語、エチケットはフランス語です。

消費者は、ラベルに記載されている情報から、ワインの産地、品種、味わい、生産者などを判断することができます。
今回は、日本ワインのラベルに書いてあることと、その読み方について見ていきましょう。

かの昔フランスでは、宮廷でのマナーについて記されていた札のことをエチケットと呼び、外から来た人に見せていたそうで、ワインのエチケットもそこから来ているといわれています。

日本ワインのラベルの内容に決まりはある?

ラベルに記載する内容は、国によって異なります。日本では、下記の内容が書かれているのが一般的です。

・ワイン名(商品名)
・ブドウの収穫年(ヴィンテージ)
・原産地
・ブドウ品種
・生産国
・地名(ブドウの収穫地またはワインの醸造地)
・製造者
・容量
・アルコール度数

日本ワインのラベル表示のポイント

日本ワインのラベルには、消費者に重要な情報が提供されています。以下は、その主要なポイントをわかりやすくまとめたものです。

「日本ワイン」の表示

必須表示〉

日本ワインは裏ラベルに必ず「日本ワイン」と表示されています。

地名、ぶどう品種、収穫年の表示

〈表示可能〉

① 地名(ぶどうの収穫地またはワインの醸造地)② ぶどうの品種名③ ぶどうの収穫年

地名の表示

〈制限〉

地名は、ぶどうの収穫地またはワインの醸造地に限られています。これ以外の地名を表示することはできません。

「北海道醸造」「醸造地:山形」といった記載がある場合、ワインの醸造地を指します。

ぶどう品種名の表示

〈85%以上の使用〉

表示されたぶどう品種は、その品種が85%以上使用されていることを示します。複数品種で3品種以上表示する場合、それぞれの使用割合を併記し、合計で85%になるまで表示します。

収穫年(ヴィンテージ)の表示

表示された収穫年のぶどうが85%以上使用されていることを示します。

ヴィンテージの意味と重要性
ヴィンテージは、収穫された年のことを指します。同じ品種のブドウでも、天候や栽培方法などの違いによって、ヴィンテージによって味わいが大きく異なることがあります。

海外原料使用ワインの表示(表ラベルに表示)

海外原料を使用した時点で日本ワインとは呼べなくなってしまいますが、海外の原料を使用したワイン(国産ワイン)には、表ラベルに「濃縮ぶどう果汁使用」や「輸入ワイン使用」などと表示する必要があります。

ワインラベルにはどう書かれている?

日本ワインの表ラベルの見方

日本ワインのボトルのエチケット(表)に書いてあること

日本ワインのラベルには、上記のような形でワインの説明が書いてあることが多いでしょう。

日本ワインの裏ラベルの見方

出典:平成28年国税庁酒税課発表資料

日本ワインのラベルの裏面です。大体このような形で表示されています。
ぜひ、実物で確認してみましょう。

ラベルデザインの多様性とブランドイメージ

ラベルデザインの多様性

日本ワインのラベルには、各ワイナリーの個性やブランドイメージを反映しており、非常に多様です。抽象画、風景画、動物など、さまざまなデザインがあります。
そうしたデザインによって、ワインの味わいやコンセプトが連想できる場合もあるでしょう。

ブランドイメージ

ラベルは、デザイン性はもちろんのこと、使用するフォント、色使いなども、ブランドイメージを構築するうえで重要な要素なのは言うまでもありません。たとえば、伝統的な手法でつくられたワインは、落ち着いた色合いのラベルを使用していることが多かったりします。

ワインラベルを楽しむためのヒント

ワインラベルを集めることは、ワインの楽しみ方の一つ。ラベルのデザインや情報を比較することで、ワインに対する理解を深めることができますよ。

特に日本ワインのラベルには、和のテイストでデザインされたものなど、シックで思わず手に取りたくなるようなものがたくさんあります。そうしたラベルを集めるために日本ワインを選ぶ、というのもよさそうです。

まとめ

日本ワインのラベルには、消費者がワインの品質や特徴を理解するための重要な情報が記載されています。デザインからその内容まで、ワインラベルには見どころがたくさんあります。

ワインを購入する際は、そうしたラベル表示をぜひ読み解いてみてください。
きっと、ご自分に合った好みの日本ワインを見つけることができるでしょう。

たくさんのワインラベルが壁に貼られている

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Laki
日本の国産ワインと中伊豆ワイナリーを心から愛するワインライター。ワインに関する知識はもちろん、その背景にあるストーリーや文化も大切に、初心者から愛好者まで、誰もが楽しめる情報をお届けします。すべてのワインに愛を込めて。特にお気に入りの伊豆ワインは、伊豆ヤマ・ソービニオンと海底熟成ワインらぶ・ま〜れです。