日本ワインに使うブドウの品種はどんなブドウ!?(白ワイン編)

緑のブドウの画像の右手に、ピンク地に文字で、 日本ワインのブドウの品種はどんなブドウ!?
黒の背景に白ワインと緑のブドウ
著作者:frimufilms/出典:Freepik

日本にワインという飲み物が伝来してから、かなり長い間試行錯誤を繰り返し、ワイン用のブドウの栽培が行われてきました。

外国産の苗木は日本の土地や風土に合わず、無事に根付かせるのが困難でしたが、川上善兵衛によりオリジナルの品種が開発されたところから、ブドウの栽培技術が大きく前進。さまざま種類のワインが日本各地でつくられるようになっていきました。

今回は現在日本各地で栽培されている中から、白ワインによく使われる日本固有種について紹介していきます。

ワイン用のブドウの種類と特徴

食用のブドウとワイン用のブドウ両方とも使われることがありますが、基本的にはワイン用のブドウが使われます。

白ワイン用ブドウ品種

甲州

甲州のブドウが木になっているところ

白ワイン用の日本固有種で一番に挙げられる品種といえば、甲州ではないでしょうか。皮は薄い紫色で、昔は生食用に栽培されていたようです。欧州系の「ヴィティス・ヴィニフィラ」に、中国の野生種「ヴィティス・ダヴィーデ」のDNAが含まれていることがわかっています。

「甲州」のワインはグレープフルーツ、レモンなどの柑橘の爽やかな香りと、穏やかな酸味が特徴でアルコール度数が比較的低い軽やかなワイン。

2010年、O.I.V(Office International de la Vigne de Vin 国際ブドウ・ワイン機構)に日本で初めて登録された品種です。

龍眼

明治時代、善光寺周辺で栽培されてきたことから、善光寺ブドウとも呼ばれる「龍眼」は、絶滅の危機に瀕していたところを、マンズワインがよみがえらせた、白ワイン用の品種です。

もともとは食用として親しまれていましたが、今ではワインとして飲まれることが多くなりました。フルーティーな香りとすっきりとした酸味で、飲みやすいものが多いでしょう。

甲斐ブラン

甲州とピノ・ブランを掛け合わせてつくられた、耐寒性のある品種。1992年、山梨県果樹試験場により開発され、登録されています。

耐病性にも優れ、比較的栽培も容易なようです。フルーティーで香りがよく、酸味もしっかりとしています。

ワインの出来としては、甲州より優秀で美味しいとされています。

リースリング・リオン

1975年にサントリーが開発した、甲州三尺とリースリングの交配品種。

シトラス系の香りを感じ、酸味もしっかり、すっきりとした味わいのものが多いようです。

信濃リースリング

1991年にマンズワインが開発した、シャルドネとリースリングの交配種。

華やかでフルーティーな香りが特徴で、甘口から辛口まで多様な顔を持ちます。

まとめ

今回は白ワイン用として主に使われている、日本固有種のブドウについてご紹介しました。

またこれ以外に、海外由来のブドウでつくられているワインもたくさんあります。

日本の土地に海外のブドウの木を根付かせるまでには相当な苦労があり、試行錯誤を重ねて今に至るわけですが、川上善兵衛が日本に輸入したナイヤガラは、今も甲州に次いで国内におけるブドウ生産量で2位となっており、たくさんのワインがつくられています。

そのほかに、欧州系の品種で有名な、シャルドネやソーヴィニヨン・ブランなども今では日本国内で多く栽培されています。

日本でワインの醸造が始められた当初は、ブドウの栽培もなかなかうまくいきませんでしたが、あきらめずに試行錯誤を重ねた結果、海外のブドウの栽培に加え、日本の風土に即した新しい品種のブドウもつくられるようになりました。

現在に至るまで研究と開発が続けられ、さらなる品種の改良に努めている人々のおかげで、少しずつ国際品種として認められるブドウも増え、日本のワインの国際的評価も高くなっていっているのは間違いないでしょう。

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Laki
日本の国産ワインと中伊豆ワイナリーを心から愛するワインライター。ワインに関する知識はもちろん、その背景にあるストーリーや文化も大切に、初心者から愛好者まで、誰もが楽しめる情報をお届けします。すべてのワインに愛を込めて。特にお気に入りの伊豆ワインは、伊豆ヤマ・ソービニオンと海底熟成ワインらぶ・ま〜れです。