ワインの良し悪しはブドウの良し悪しで決まるといっても過言ではありません。
ワインづくりの最初の段階である、ブドウの収穫から見ていきましょう。
収穫時期
日本では、大体9~11月に収穫が行われることが一般的です。早すぎても遅すぎてもいけません。
実際に収穫する際は、一房ひとふさブドウの味を確認し、粒の一つひとつを確認していき、病気の粒などはこの時点で除いていきます。
また、種もワインの味において大変重要で、青みがある種の実はまだ早いため除きます。茶色くなっている種は、その味もナッツのような香ばしい味になっており、しっかりと実が成熟しているという指標になります。
その年によって気候条件も変わるうえ、栽培者のスキルによるところも大きいのが、自然相手の難しいところですね。
収穫の仕方
それぞれに長所短所があり、どちらのほうがよいとは一概に言えません。
機械収穫のメリット
何と言っても人件費削減ではないでしょうか。大規模園になればなるほど、やはり機械化することで経費削減につながります。
また、昨今の労働者不足という点でも、心配がなくなるメリットがあります。
一方で、目安ではありますが、10ha以下の比較的小さい畑の場合、機械の導入費も考慮すると、コスト的に見合わないという意見もあるようです。
手摘みのメリット
人の目で実際に確認しながら摘んでいくので、問題のあるブドウをきちんと選別しながら収穫ができるという点につきます。
機械収穫ではすべてのブドウを、一斉に採りそこなうことなく収穫できる反面、カビが繁殖している房であったり、未熟果も一緒に収穫してしまっている可能性があるうえ、収穫の際に果皮を傷つけてしまう可能性もあります。
ブドウの良し悪しがワインの出来を左右するとすれば、確実なのは手摘みといえそうです。
収穫で気を付けるべき点
- 収穫の時期が早すぎると糖分が足りず、遅すぎると熟しすぎて酸が足りないワインとなります。ぴったりのタイミングで収穫するには、見極める技術が必要。
- 酸化とともに不要な微生物が繁殖する可能性があるので、ブドウを損傷させないよう気を付けましょう。
- 急激な温度変化は避けましょう。
まとめ
ブドウの収穫が終わると、いよいよ今度は本格的なワインづくりの工程が始まります。
また、畑は次の年に備えてブドウの木の剪定を始めます。
ワインは何においてもブドウの良し悪しが肝。その年その年で気候にも左右されるとても厳しい仕事です。これで終わりということはなく、常に前進してよいブドウを追い求めなければなりません。
このあとの実際の醸造工程においても、相当な熟練のスキルが必要となりますし、よいワインをつくるというのは本当に大変な作業ですね。
日本の国産ワインと中伊豆ワイナリーを心から愛するワインライター。ワインに関する知識はもちろん、その背景にあるストーリーや文化も大切に、初心者から愛好者まで、誰もが楽しめる情報をお届けします。すべてのワインに愛を込めて。特にお気に入りの伊豆ワインは、伊豆ヤマ・ソービニオンと海底熟成ワインらぶ・ま〜れです。
コメントを残す