東京から2時間ちょっとで中伊豆の大自然へ!新幹線と特急踊り子号で行くグランピング

東京~修善寺間の新幹線と特急踊り子号

キャンプやグランピングというと、どうしても交通の便が悪く、車がないと行けないような場所を思い描きがちですが、静岡県の伊豆半島内陸部にある中伊豆EAST WINDS VILLAGEは、都内から簡単に電車で行ける絶好のグランピングスポットです。最寄の修善寺駅まで電車で行くことができ、駅からは無料シャトルバスで約20分という好立地にあります。

その詳しいアクセス方法について、修善寺駅までは東京駅から特急「踊り子」号を使えば乗り換え不要でとても便利とお伝えしましたが、行き方はこれだけではありません。
東京から特急列車を使わず鈍行列車を乗り継いで行けるのはもちろんのこと、途中の三島まで新幹線を使って高速移動することができるのです!

東京駅に並ぶN700SとN700A

筆者は何度か修善寺に行ったことがありますが、実は踊り子号は東京へ戻るときに1回だけ使ったのみで、それ以外は新幹線を使っています。
理由は単純に「早い/速い」ということと、「座りっぱなしよりかは乗り換えて気分転換したい」という点です。

新幹線と踊り子号では、そこまで所要時間や料金に大きな差があるわけでもないため、その時の気分などで決めることもでき、それはつまりどちらで行こうか迷うところでもあります。
それでは、実際に新幹線と踊り子号の所要時間や料金などを比較してみましょう。

特急踊り子号では敵わない新幹線のスピード

東京駅9:00発の踊り子3号を基準に、ほぼ同じ時間帯に東京駅を出発する新幹線と各駅の発着時刻を比較してみます。

三島駅に停車する新幹線は、時間帯によって多少は変わりますが、基本的には、各駅停車の「こだま 」が1時間に2本、一部の「ひかり」が2時間に1本と、本数が非常に限られています。
ですが、この時間帯はたまたま三島駅に停車する「ひかり」も選択肢に入れることができます。

踊り子3号新幹線ひかり新幹線こだま
東京 9:009:039:27
三島 10:389:4510:17
三島 10:4010:0510:27
修善寺 11:0810:4211:06

東京〜三島の区間だけを比較すると、さすが新幹線は韋駄天ぶりを発揮しますね。
踊り子号より27分遅く出発した「こだま」でさえも、三島には20分ほど早く到着します。

東京駅の新幹線ホーム

それではもう1つ、踊り子13号を基準に同じような比較をしてみましょう。
ちょうど3時間後の出発となります。

踊り子13号新幹線 ひかり新幹線 こだま
東京 12:0012:27
三島 13:3813:20
三島 13:4013:26
修善寺 14:0614:01

この時間帯の「ひかり」は三島を通過するため「こだま」との比較のみになりますが、結果はほとんど同じことがわかります。

新幹線の方が三島までは圧倒的に早いものの、三島駅での乗り換え時間や、さらに三島〜修善寺の各駅列車は踊り子号より10分ほど長くかかるため、三島に早く着いた時間分は相殺され、修善寺の到着時間はほぼ同じという結果になります。

この30分という差が、新幹線にするか乗り換え不要の踊り子号にするか、迷ってしまう絶妙なラインではあります。
では、料金の差はどうでしょうか。

特急踊り子号より新幹線の料金の方が安い!

まず、踊り子号や新幹線に乗らなくても必要な乗車券が、東京〜修善寺で2,860円です。
ちなみに、東京から修善寺まで行くにあたり、三島で鉄道会社が変わるため、厳密には三島までの料金と三島からの料金が合算されています。
内訳としては、東京〜三島が2,310円(JR)/三島〜修善寺が550円(伊豆箱根鉄道)となります。

では、プラスでかかる踊り子号や新幹線の特急料金はどうでしょうか。
割引運賃など考慮せず、正規料金で比較してみます。

踊り子号
東京〜三島/三島〜修善寺
新幹線
東京〜三島
自由席1,760円
指定席1,580円/200円 = 1,780円2,290円
グリーン4,560円
※ 修善寺へ向かう踊り子号の座席は指定席のみです。車内の空席が利用できる座席未指定券も発売されていますが、満席の場合は立席になってしまうので、全車指定席と考えておいて、あらかじめ座席を確保しておいた方が無難です。また、グリーン車は伊豆急下田行きの編成にしか連結されていません。

なんと、新幹線自由席の方が、わずか20円ですが踊り子号より安いことがわかります。
指定席でも500円ほどしか変わらず、それでいて所要時間を30分ほど縮めることができます。
さすがにグリーン車となると一気に倍近くまで金額は跳ね上がりますが、自由席や指定席で比較すると、踊り子号と新幹線とで料金差が無いに等しく、これもまたどちらで行くか迷ってしまうところではあります。

わずか200円で踊り子号に乗車できる!?

踊り子号の特急券も乗車券と同様、三島までの料金1,580円(JR)と三島からの料金200円(伊豆箱根鉄道)の合算になります。
ここで特筆すべきは、三島〜修善寺の30分ほどの距離を、たった200円(小児100円)追加するだけで、踊り子号に乗って快適に過ごせることです。
なので、三島まで新幹線を使い、三島から踊り子号に乗り換えるという贅沢な行き方も選択肢の1つになります。

修善寺駅に到着した踊り子号

実際に、先ほど踊り子号と新幹線との時間差で紹介したダイヤを見てみると、三島で少し待ち時間を伸ばせば、東京から来る踊り子号にちょうど良く接続することができ、そしてまた到着時間も5分と変わらないので、お値段以上のメリットを感じます。

200円追加するだけで特急列車に乗れるのは、観光客に限らず、時間帯が合えば地元の方でも利用される価値は大いにありますね。
しかも、この駿豆線内の区間においては座席指定をする必要もないので、より気楽に乗れるのも嬉しいポイントです。

三島駅で新幹線から伊豆箱根鉄道駿豆線に乗り換え

三島で新幹線を降りたら、伊豆箱根鉄道駿豆線に乗り換えましょう。
新幹線のホームは駅の北側にあり、駿豆線のホームは駅の南側にあり、その間には東海道本線の線路が何本もあるため、地下の長い連絡通路を通って行きます。

三島駅構内

この天井の低い通路がまた、一昔前の構造と言いますか、懐かしさすら感じます。
そのまま突き当たりまで進むと駿豆線のホームに上がる階段にぶつかるので、ここを登れば改札口に辿り着きます。

三島駅構内

ちょうど上の写真の電光掲示板に【10:40 修善寺】と踊り子号の案内が表示されており、さらによく見てみると、Uターンして【1番線】へ誘導しています。
三島駅における踊り子号の発着ホームは駿豆線ではなく東海道線なので、新幹線から踊り子号に乗り換える際は、乗り場を間違えないよう注意が必要です。

各駅停車で修善寺へ向かう際は、案内に従って階段を登りましょう。
駿豆線の三島駅も修善寺駅と同様、線路が続かない終着駅で、これから地方鉄道に乗るんだぞというワクワク感が込み上がってきます。

三島駅の駿豆線改札口

改札を抜けてホームへ行くと、そこには電車が停まっていました。
筆者が乗ろうとした電車は、ちょうど「ラブライブ!サンシャイン!!」のラッピング電車でした。

ラッピングされた駿豆線

こういう取り組みもまた、地方鉄道ならではの醍醐味ですね。
この日も撮り鉄さんが何人かいらっしゃいました。

手前の熱海や小田原で新幹線から踊り子号に乗り換えたら損?それとも得?

普通に料金を比較したら、在来線の特急より新幹線の方が高くて当然です。
ならば、その高い新幹線に乗る距離を短くすれば、少しは安く行けるのでは?と思い、熱海で新幹線を降りて、そこから踊り子号に乗り換えるという料金をシミュレーションしてみました。

さて、結果は・・・

踊り子号
熱海〜三島/三島〜修善寺
新幹線
  東京〜熱海  
自由席1,760円
指定席760円/200円 = 960円2,290円
グリーン4,560円

お気づきでしょうか。
なんと、東京からの新幹線の特急料金は、三島まででも熱海まででも全くの同額です。
そのため、熱海で踊り子号に乗り換えると、熱海〜三島の特急料金760円がただただ余計にかかってしまうことになります。

試しに、もう1つ手前の小田原での乗り換えもシミュレーションしてみたところ、新幹線のグリーンの料金が1,500円安くなるだけで、その他まったく変わらないことがわかりました。

踊り子号
小田原〜三島/三島〜修善寺
新幹線
  東京〜小田原  
自由席1,760円
指定席760円/200円 = 960円2,290円
グリーン3,060円

ちなみに、新幹線と特急を乗り継ぐ際に「乗継割引」を設定している列車も一部ありますが、踊り子号は割引対象外なので、小田原や熱海で踊り子号に乗り換えても、決して得になることはありません。

東京から修善寺へ向かうにあたり新幹線を使う際は、素直に三島で乗り換える(普通列車 or +200円の踊り子号)のが無難だということがわかりました。

三島駅で新幹線から踊り子号に乗り換え

先日改めて修善寺へ行く機会があったので、せっかくなので三島まで新幹線で向かい、三島から踊り子号に乗り換えて修善寺へ向かいました。

なお、筆者は今回初めて知ったのですが、東京駅で切符を購入する際にぜひ抑えておきたいポイントがあったので、実際の時系列に沿ってご説明していきたいと思います。

踊り子号の200円チケットは東京駅では買えない

東京から三島へ新幹線で向かい、三島から修善寺まで普通列車に乗り換える際は、「東京→修善寺の乗車券」と「東京→三島の新幹線特急券」をまとめて購入できます。
しかし、三島から修善寺まで踊り子号に乗車する際の「三島→修善寺の特急券(200円)」は、東京駅では同時購入できませんでした。

これは券売機でも試し窓口の駅員さんにも確認したのですが、三島→修善寺は私鉄(伊豆箱根鉄道)のため、その区間のみの切符は購入できないようです。
鉄道会社が違うので、例えばJRの窓口で小田急線の切符を購入できないのと一緒ですね。
もちろん、JRからそのまま私鉄に乗り入れる際は、まとめて私鉄の分も購入可能です。
実際に踊り子号で東京から一気に修善寺へ向かう際は、全区間通しで乗車券も特急券も購入できます。

なので、今回は新幹線の切符を購入する際、あえて乗車券も特急券も「東京→三島」を購入し、三島駅の伊豆箱根鉄道の改札口横にある有人窓口で「三島→修善寺」の乗車券(550円)と特急券(200円)を購入しました。

1日2本(土日祝は3本)しか使われないホームと連絡線

伊豆箱根鉄道の改札口で切符を購入したら、そのまま改札には入らず、JRのホームで踊り子号の入線を待ちます。

出典:JR東海(https://railway.jr-central.co.jp/station-guide/shinkansen/mishima/map.html)

東京から来る踊り子号は、上の構内図の右側から入線してきます。
静岡方面に向かう下り列車は基本的に2番線が使われますが、そのまま伊豆箱根鉄道へ乗り入れる踊り子号は1番線での発着となります。

ホーム上に設置してある時刻表を見てみると、1番線を使うのは踊り子号だけということがわかります。
ちなみに東京へ向かう上りの踊り子号も、1番線にて発着します。

200円で得られる快適な30分の旅

あまり使われない1番線に、踊り子号が入線してきました。
草が多めに生い茂っている様子から、滅多に電車が発着していないことが伺えますね。

そして1番線から発車した踊り子号は東海道本線から外れ、これまた草が生い茂る連絡線をいくつかのポイントを跨ぎながら伊豆箱根鉄道に乗り入れ、一路修善寺へと南下していきます。
この連絡線は、踊り子号に乗車しないと通れない貴重なルートです。

踊り子号は全車指定席ですが、三島→修善寺の区間は座席を指定することができず、言ってしまえば全車自由席です。
座席の上のランプが赤く点灯している場所であれば、どこでも自由に座ることができます。

三島から修善寺までは30分ほどかかります。
その時間を200円という破格の値段で特急列車に乗れるのは、とてもお得ですよね!
普通列車と比べて10分ほどしか短縮されませんが、特急列車という快適性で十分に費用対効果は得られると思います。

三島駅での踊り子号特急券(200円)の購入が一手間かかりますが、プチ贅沢な気分も味わえるのでオススメです。

新幹線でサクッと移動し、グランピングでゆったり過ごす

東京から中伊豆EAST WINDS VILLAGEまで、最寄の修善寺駅までの移動方法について、速達移動の新幹線と乗り換え不要の特急「踊り子」号を比較してきました。
修善寺駅からの無料シャトルバスの時間に合わせたタイムテーブルを一覧にまとめたので、ぜひご参考の上、新幹線を使ったグランピングも体験してみてください。

踊り子こだま踊り子こだまこだまこだまこだま
東京 9:009:2712:0012:2713:2714:2715:27
品川 9:089:3412:0812:3413:3414:3415:34
新横浜 9:4512:4513:4514:4515:45
三島 10:1713:2014:1715:2016:17
三島 10:4010:2713:4013:2614:3315:4116:30
修善寺 11:0811:0614:0614:0115:1116:1717:04
修善寺駅北口 11:3514:3515:3516:3517:35
中伊豆ワイナリー 11:5514:5515:5516:5517:55
※ シャトルバスは上記の他にも、修善寺駅発 9:35・10:35・18:00 があります。

筆者も次回は、東京から三島まで新幹線を使い、200円だけ追加して踊り子号に乗り換えて修善寺へ行こうと思います。

東京駅八重洲口

東京から直通の踊り子号という手も捨てがたいですが、新幹線で時短移動。三島駅での乗り換えで気分転換。修善寺までの30分も快適移動!を実践してみようと思います。

帰りこそ新幹線を使わず踊り子号で東京へ帰るべき?!

修善寺から東京へ帰る際のタイムテーブルも、1日2本しか運行しない踊り子号を軸に、新幹線と比較する形でまとめてみました。

踊り子こだま踊り子こだま
中伊豆ワイナリー 11:5514:55
修善寺駅 12:2015:20
修善寺 12:3515:39
三島 13:0116:04
三島 13:0413:2416:0616:27
品川 14:4214:1117:4217:11
東京 14:4914:1817:4917:18
※ 土日祝日は修善寺発14:18の踊り子号も運行しますが、ちょうどいい接続のシャトルバスがないため、ここでは割愛しています。

三島で新幹線に乗り換えた方が、待ち時間を加えても東京に30分ほど早く到着することがわかります。
この時間差は往路も復路もほぼ一緒ですね。

ただ、せっかく乗った踊り子号を三島で降りるかどうか、とても悩むところではあります。
と言うのも、冒頭で記した通り、筆者は1度だけ踊り子号で東京へ戻ったことがあるのですが、まさに修善寺駅に着いた時にちょうど踊り子号に乗れるタイミングで、かつ疲れていたこともあり、ここぞとばかりに直通運転の有り難みを感じつつ東京まで帰らせてもらいました。

帰りは、特に急ぎの用事がなければ、せっかく乗った踊り子号を三島でわざわざ降りず、グランピングの思い出に浸りつつ、身体を休めながらゆっくり現実生活に戻るのもありですね。

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Mao Sakatozaki
日本国内44都道府県と海外19ヶ国を旅してきた旅を愛するライター。特に小さな港町や路面電車が走る街に惹かれがちです。旅を通じて得た経験と発見を、記事を通じてお届けします。あなたの次の旅のきっかけとなることを願っています。