特別な日や記念日を彩るスパークリングワイン。一口含めば、繊細な泡と華やかな香りが口いっぱいに広がります。
スパークリングワインの魅力は、何と言ってもその爽快な泡立ちと複雑な味わいですよね。
今回は、そんなスパークリングワインの製法についてご紹介します。
スパークリングワインをつくるための5製法
スパークリングワインは、主に五つの製法によってつくられます。
1. トラディショナル方式
シャンパンをはじめとする高級スパークリングワインに用いられる伝統的な製法です。瓶内二次発酵を行い、澱引き、ドサージュ、打栓まですべて手作業で行うため、手間とコストがかかります。
2. シャルマ方式
タンク内二次発酵を行う製法です。トラディショナル方式よりもコストを抑えながら、品質の高いスパークリングワインつくることができます。
特徴
- トラディショナル方式よりも安価
- 比較的短期間で製造できる
- 果実味あふれるフレッシュな味わい
3. トランスファー方式
シャルマ方式と似ていますが、二次発酵後に別のタンクに移してから瓶詰めを行う製法です。よりクリアな味わいに仕上がります。
特徴
- シャルマ方式よりもクリアな味わい
- 安定した品質
4. リュラル方式
瓶内二次発酵を行いますが、澱引きは行わずにそのまま瓶詰めする製法です。澱由来の旨味や複雑な味わいを楽しむことができます。
特徴
- 澱由来の旨味や複雑な味わい
- 瓶内熟成による独特の風味
5. 炭酸ガス注入方式
人工的に炭酸ガスを注入することで発泡性を持たせる製法です。安価なスパークリングワインに用いられます。
特徴
- 安価
- 手軽に製造できる
- 果実味よりも泡立ちを楽しむ
スパークリングワインの醸造工程
ここでは、トラディショナル方式を例に、スパークリングワインの醸造工程を詳しく見てみましょう。
1. 調合(アッサンブラージュ)
複数のワインをブレンドすることで、味わいのバランスを整えます。
2. 瓶詰(ティラージュ)
不純物が入らないように注意しながら、酵母と糖分を加えて瓶詰めします。
まず、ワインを入れる瓶が清潔かどうかがとても重要です。
3. 瓶内二次発酵
瓶の中で酵母が糖を分解してアルコールと炭酸ガスを生成します。
スパークリングワインの泡は、瓶内二次発酵によって生み出されます。瓶詰めされたワインに酵母と糖分を加えることで、瓶の中で再び発酵が起こります。
この発酵によって生成された炭酸ガスが、ワインに溶け込み泡立ちを生み出すのです。
4. 動瓶(ルミアージュ)
熟成時に寝かされていたところから、ゆっくりと瓶口を下にして倒立させ、澱を瓶口に集めます。
5. 滓引き(デゴルジュマン)
まずボトルの瓶口を-27℃の溶液に浸すことで、瓶口に集められた滓が凍って塊となり、栓を開けたときに内圧で出てきた澱を瓶から取り除きます。
6. 添加(ドサージュ)
糖分を添加します。
7. 打栓
コルク栓で栓をします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
スパークリングワインの製法には、手間も時間もかかるトラディショナル方式から、簡易的につくることができる炭酸ガス注入方式まで、それぞれによさがあるようです。
それぞれの製法によって、味わいや香り、泡立ちなどが異なり、さまざまな個性を楽しむことができます。
ぜひいろいろ試して、お気に入りの一本を見つけてみてはいかがでしょうか。
日本の国産ワインと中伊豆ワイナリーを心から愛するワインライター。ワインに関する知識はもちろん、その背景にあるストーリーや文化も大切に、初心者から愛好者まで、誰もが楽しめる情報をお届けします。すべてのワインに愛を込めて。特にお気に入りの伊豆ワインは、伊豆ヤマ・ソービニオンと海底熟成ワインらぶ・ま〜れです。
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